出雲民芸紙について

出雲民芸紙の特徴は、楮、三椏、雁皮などの原料を精選し、純粋な紙繊維を取り出すよう心がけ、和紙の繊維特性を活かし秀美な和紙を作ることに成功したことです。また、染色紙も美しいものが多くそろっています。

1931年、民芸運動の創始者の柳宗悦氏が松江を訪れた際、安部榮四郎氏の漉いた雁皮紙をみて平安時代の厚手の料紙が再現されていると絶賛、これを機縁に安部氏は民芸運動に参加するようになりました。芹沢桂介氏(染織)、河井寛次郎氏・浜田庄司氏(陶芸)、棟方志功氏(版画)、バーナード・リーチ氏等との長い交誼によって、民芸美についての眼を養い創作意欲を増していきました。

1934年東京で、一紙すき職人の漉いた紙のみで一堂を飾る「和紙の個展」という、和紙の歴史で初めての試みを行ったり、1984年死去するまで、安部氏は毎年各地で展覧会を開催してきました。
1974年〜1980年にはパリ、ニューヨーク、ロスンゼルス、サンフランシスコ、北京の各地で和紙の個展を開催しました。

安部氏は、1960年から3年間、正倉院宝物の中で千年をこえて保管され続けてきた紙について、和紙研究家の寿岳文章氏らとともに調査研究を行い、和紙の原点ともいえる正倉院宝物紙を復元して漉くことに成功しました。1968年、安部氏は、文化庁から雁皮紙を漉く伝統的技術を高く評価され、重要無形文化財(人間国宝)に認定されました。

安部氏は、和紙の美しさ、真価を主張する努力を重ね、1983年、生涯をかけて収集した貴重な和紙の資料や民芸品の数々を保存・公開するために、八雲町に「(財)安部榮四郎記念館」を設立しました。また、和紙技術者の育成のため、その附属施設として「手漉き和紙伝習所」を開設しました。現在、安部榮四郎氏の心は孫 信一郎氏、紀正氏兄弟の手へと受け継がれています。
 

引用URL、文献 :  安部榮四郎記念館ホームページ 、和紙の手帖:全国手すき和紙連合会,2002.

 

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